可以興茶磚・熟茶・2005年:可以興茶荘
1926年(民国15年)に創業した「可以興茶荘」は、普洱茶の磚茶を初めて造った茶荘です。この磚茶は「十両磚(357g)」の名で知られ、後に「磚中の王」と称されます。1930年代の後期は可以興茶荘の黄金期で、毎年生産する茶は約1200担(60トン)に達したといいます。
創業者の周丕儒(文卿)は1914年に茶産業に足を踏み入れ、25年に可以興を創設し、28年に佛海商業会議所を創設します。その後建設局長や財政委員会主任など歴任し,1939年に初めての調査で訪れた、范和鈞・張石城両先生を教育長とともに接待します。当時の佛海(現・勐海)は辺地でその発展に尽力したようで、図書1万冊を上海から購入し、佛海図書館を寄贈しています。1945年の中日戦争終結後にはどうなったのか不明です。
可以興茶荘は現在では号級と呼ばれる老字号で、その可以興茶磚が茶叶市場の店にあったのです。目にした時はそんなものが有るわけないでしょうと思いました。とはいえ、そのまま見過ごす気になれず、試飲させてほしいと伝えました。 店主はまだ30代前半に見える若い人です。私たちが半信半疑で見ていると感じたのか、これは南糯茶山の南の格朗河(茶山地図参照)の古茶園の茶葉を使っていると、携帯で撮った画像も見せてくれました。その葉は艶があり手のひらほどの大きなものもありました。 テイスティングするといやな老味は感じず、熟茶特有の旨みがあり、その製法技術は確かなものだと思いました。茶樹の管理から茶摘みまでその土地の先住民族がしているのです。

葉底画像の右上から左下に続く葉は、一枚で12cmありました。▲
この磚茶はかなりプリミティブな方法で成型しているようで、それぞれの外形は不揃いで、左右の厚みも高低差があります。また250gを規格の重量としていますが、270〜280gほどの重量で各磚茶により差はまちまちで、見た目よりずっと軽いのがまた不思議です。
茶壺天堂はミステリアスな可以興茶磚を選択しました
この磚茶に出合った同じ日に、芳村南方茶叶市場中心館で可以興茶厰の大きな店舗がありました。そこでは多品種の製品が、立派なパッケージに入ってずらりと並べられています。私たちが記憶している老字号の可以興茶磚は、「1926经典回顾老青砖」という名称でした。
この会社は2001年に可以興茶厰を商標登録をした後に、2003年に勐海に可以興茶厰を設立したというのです。帰国してからその会社のウエッブサイトを見ると、怡源茶業有限公司という広州市の会社が設立して “--- Since 1926 ---”と謳っています。製品は餅茶63種、磚茶13種、沱茶3種、礼品装19種、という多さで唖然としました。
▲ 茶山地図 :右上の南糯茶山の下に格朗河はあり、下方の班章〜布朗山に続く山脈地帯.
この怡源茶業有限公司という会社、よくよく調べるとパッケージ製品の茶袋、餅茶の表装紙、化粧箱、月餅の箱などを作る紙器会社でした。そして勐海可以興茶厰は、それぞれ得意とする茶厰へ発注して製品をそろえているようなのです。 こうした事情が分かってくると、格朗河で摘まれた茶葉の「可以興」ががぜん光を放ってきました。中国のネット上には他にも3種ほど身上不明の製品がありますが、私たちはこの可以興が一番気に入り、皆さんに試飲してもらい納得して購入して頂いております。
◎可以興茶磚・2005年:可以興茶荘 販売中です。 1個 250g:4500円

